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2019/07/26

カタストロフィ的芸風について考える。

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino
 前回、「右肩下がりが生むカタストロフィ。小忠実(コマメ)に変化するとイイ。」と言うコンテンツをお届けしましたが、それ以前にも、「生産技術界隈でBuzzったケド、ダメだった過去の生産性向上施策の一覧」というタイトルのコンテンツをお送りしており、今回、コレに関連した”カタストロフィ的芸風”について言及したいと思います。

 ...と言うのも、この芸風が、昨今、私が推進しようと考えている「現実的なプログラム・マネジメント」の障害になるためですかね。



 私が最初にこの芸風に遭遇したのは、入社後も3年ほど経過した頃でした。その頃、「オブジェクト指向の分析・設計(OOA、OOD)」によって生産性が劇的に向上するというような話があり、多くの若者がコレにチャレンジして、その後、結果として多くの時間を無駄にすることになりました。その後、似たような、「SOAP、SOA(Service-Oriented Architecture)」などが現れますが、コチラもホボ同じ結果だったと思います。

 コレ等の特徴としては「アーキテクチャ宇宙飛行士」的だったということでしょうか(アーキテクチャ宇宙飛行士についての詳細は(、上記)、「生産技術界隈でBuzzったケド、...」のコンテンツをご参照下さい)。

 その後、出会った「テスト自動化(GUIテストツールとTDD)」、「DevOps(CI/CD、IaaC、OpenPaaS)」は、「手段の目的化」的でした。

 そして、最近、注目を浴びている「Microservice & Serverless Architecture」は「SOAP、SOA(Service-Oriented Architecture)」リターンズな感じです。



 昨今のAIなどのブームもこの”カタストロフィ的芸風”の1つかと思いますが、過去を振り返ってみると「大きなゲーム・チェンジが起きるよ。」的なプロモーションに乗せられてしまったケド、現実世界はそうならなかった。というケースが多いと思います。

 そんな中、「2000 - 2020年」辺りで一番大きな変化は何だったかな?と振り返ると、やっぱり、スマホ(スマートフォン)の登場でしょうか。昨今、新聞を読む大人の姿もすっかり消えて、もぱっら目にするのはスマホを見る老若男女だったりします。クラウドもイイ線行ってますが、ホスティング事業者とか、データセンター事業者とか、クラウド登場の以前から在ったモノも多いので、クラウドよりスマホとさせて頂きました。

 このスマホを例に取ると、

  • スタック的には、Unix / Linux系OS
    の上にアプリが乗っているダケですし、
  • 通信プロトコルも既存のものですし
    (TCP/IP, HTTP, XML, JSON, SAML, OAuth2/OIDC, etc.)、
  • コンテンツは既存の情報やコンテンツです
    (新聞, 漫画, ゲーム, アプリ"情報のCRUD", etc.)。
  • バックエンドに関しては何も変わらず。強いて言えば、
    クロスドメイン認証の重要性が高まってきた位でしょうか。

 と言う事が解ります。

 そう言う意味で、技術という観点でも、コンテンツという観点でも、スタック&コラボレーションは大きく変わらないんでしょうね。何故変わらないか?と言えば、周辺のテクノロジやコンテンツが揃ってない状態で新しいプラットフォームを産み出しても、それはスケールしないからでしょうか。

 そういう意味で、”カタストロフィ的芸風”をやってる人達は、自分たちが取り組んでいるAS-ISがショボ過ぎるから「積上」じゃなくて「別物」を提案したいのかも知れませんが、スマホの登場のような大きなゲーム・チェンジの際も、周辺のスタック&コラボレーションは大きく変わらないと思います(故に、期待しているようなカタストロフィは起き得ない)。

 ...で、この辺の社会の閉塞感が「異世界転移 / 転生モノ」が流行った理由なんじゃないか?なんて思ったりしました。そして、このような日式的?現実逃避願望が、現実的なプログラム・マネジメントのハードルとなっているんじゃないか?等と思った次第であります。

本日のオチ:
 ”カタストロフィ的芸風” = 「異世界転移 / 転生モノ」。
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