引き続き「
サプライサイド・デマンドサイド」シリーズをお送りしますが、最近、
「PMPを勉強」していて、「
SI事業者の中では、プロジェクトは所謂プロジェクトではなく、定常業務に近いんじゃないか?」なんて思ったりしました。この理由を考えると、「機能組織とPMが同じ縦になってるからじゃないか?」と。
図1 SI事業 機能組織に横串が通って、マトリックス型にならないとプロジェクトっぽくならないですよね?(基本的に、プロジェクト憲章が承認されるとプロジェクトが組織内に認知され、横串が通り始める。と言われている。そして、プロジェクト計画書の承認により、プロジェクトと機能組織との役割分担やスケジュールが合意されることになる。)
オーガナイザーを担当するというような特殊 & 大型プロジェクトでもない限り、1つ1つの案件が提供するサービスは「プロジェクト性が低く、バリューチェーンも短い」のが、この構造の特徴だと思います。
しかし、実際に上記のSI事業者に発注している発注元のプロジェクトの体制は、
図2 発注元プロジェクト ...な、感じになっているハズで、
全体を見通すと、
図3 ICTプロジェクト全体像 ...という感じになるかと思います。
(企業活動って、こうなってるんだ...的な。)
面白いことに「
この辺り」にも書きましたが、(1)インフラ側はプロジェクト完了後もシステム運用があるので、「定常業務」寄りで、(2)アプリはシステム運用が無く、プロジェクト完了後は撤収・解散なので、「プロジェクト」寄りになります。
また、
- 業種別部門は、上記のうちのインフラ側を、
- アプリ側は業種毎に分かれているものの、アプリ開発専門部門が、
担当する辺りも、商習慣的に面白いですね(これは、インフラ側からアプローチした方が、業種アカウント・営業的に刺さるタメでしょうか?)。
...で、問題は、SI事業者って、横串が通り難いことですかね(そもそも、SI事業者側にプロジェクトがあまり存在しないというのもありますが)。インフラ側は、組織が定常業務主体であることから、プロジェクト性が低く、まず無理です。アプリ側は、プロジェクト主体なので、横串は、インフラより通し易くなるとは思います。
しかし、最近は、技術の多様化により、アプリ側も、この横串も通り難くなってきました。また、コモディティ化も激しいので、R&Dの事業開発も、自社プロダクト開発によるラインナップ拡充より、コモディティ化したOSS活用の方に舵を切っており、より、デマンドサイドから牽引するスタイルが定着しつつあるように思います。
そう言った経緯で、「
サポート自体もデマンドサイドに直接的に訴求するしか、やり方が無いフェーズに差し掛かって来ている。」と個人的には考えています。
実際に、以下のようなPMO、品質保証などのプロジェクト・サポートを専業とする企業も誕生して来ているようです。
そう言う事で、OSS化や、インターネットでのサポート技術情報公開などは重要...と言うより、当たり前のことになって来ているのではないでしょうか?
...書いていて思ったのですが、このような流れの中で、やはり、サプライサイドは縮小していくのではないか?などと考えました。
前にも書きましたが、「日式はサプライサイドが75%、米国は30%以下」で、これは商習慣の違いではなく、最適化の結果であるように思います。...と言う事で、これからのICT事業の形態の変遷から目が話せません。