屋代:本日はオープンソースCMSについての座談会を行います。
本日はビジネスアプリケーション部会がCMSビジネス部会に乗り込み、
オープンソースCMSについて質問をしていきたいと思います。
それではまず、CMS部会のお三方に自己紹介をいただきたいと思います。
永原さんからご紹介をお願いいたします。
永原:永原はNPO法人コモンズネットでNetCommonsの普及活動もしています。
XOOPSも結構使ってました。OSS-CMSのカスタマイズの仕事をしています。
OSS-CMSは業務アプリのフレームワークとしてよく使っています。
屋代:川井さん自己紹介をお願いいたします。
川井:Linuxからオープンソースにかかわり、CMSはユーザとして利用しています。
古くはZope、Plone、Xoops、OpenPNE、TYPO3、eZ Publish等々いろいろ試しています。
屋代:皆さんありがとうございます。
ではビジネスアプリ部会からの質問を開始いたします。
はじめに湯澤さんご質問いかがでしょうか。
湯澤:湯澤です。オープンソースのASPを提供する仕事をしています。
今は moodle を使ってくださっているユーザが少数社あります。
何で、CMSのオープンソースがこんなに多いのでしょうか?
藤田: CMS一括りにしてしまうので多いのかなと。
永原: 各国のものが集まっている、というのもあるのではないでしょうか。
湯澤: ではCMS部会の言うところのCMSの範囲はどこまででしょうか?
永原: 分類分けとしてはBlog、エンタープライズ、ECM、グループウェア、SNS、Eコマース、Eラーニング、その他CMSと呼ばれているアプリケーションは多数ありますね。
川井: CMS導入の理由は?なぜOSSを利用するのですか?
永原:NetCommonsで言えば値段が安く、初期機能で学校向けが充実している。などの利点があります。
また、ドキュメント管理をXoops、NetCommonsをベースに開発したりしています。
もちろん開発成果はベースのライセンスに準拠して提供しています。
永原:お客様には開発成果を転売して元を取ろう!というご提案をしたりすることもあります。
湯澤: 開発言語がPHP+MySQLに集中しているように見えるのは? ・・ 開発がらくだからですか?
永原: LAMPPが多いのは、開発コストが小さくできるからだと思います。
楽、ということにもなりますよね。
川井: 海外ではPythonも結構使われていると思います。
川井: wikiについては言語毎に乱立していますし? Parl Ruby etc
大塚: Javaは大規模向けという先入観が日本企業幹部にあるみたいですが、実際のところいかがでしょうか。
永原: それは実態を反映をしてたところもある。簡単に変えにくい、というのが "性能" ということもありますね。
開発環境の構築/メンテナンスコストも重要ですね。
藤田: 商用CMSは、PHPがメジャーとはいえないですね。Java等の物もありますし。
増田: 株式会社ゼンク 増田と申します。
LAMP環境で自社で人員管理システム、プルミエΖというOSSを作っています。
(まだ OSSもどきですが)基盤インフラ系はもともと得意としています。
Pythonで出来ているzopeはどうなのでしょう?
zopeで作ったシステムをNetcommonsに入れ替える提案をしようと思っているのですが。
永原:要件次第でしょうね。どのようなシステムですか?
増田:zopeの置き換えについての要件は先生と生徒のコミュニケーションツールです。
永原:それであれば、NetCommonsの提案は良いと思います。OpenPNEとの連携ができるとさらに良いですよ。
増田: zopeの方がNetCommonsより軽いとか言う事は無いですか?
永原: どちらが軽い、とか一概には言えないと思います。
藤田: ただオープンソースCMSで完璧なワークフローは無いですね。
ワークフローがある程度使えるのはeZ、TYPO3、Plone辺りかなと思います。
大塚: CMSは重くてSEO的に弱いのでは?
川井: CMSも多くがSEO対応しているので問題はないはずです。
永原: どちらかというとSEOの観点で、静的ページはもうだめだと思います。
川井: また、最近はキャッシュ機能が良くなっているので、以前に比べて軽くもなってきているはずです。
野村: パフォーマンスほしいときは、Luceneつけたり。。Akamaiにも頼ってみたりするのもありですね。
大塚: ESIというキャッシュを利用すると静的なコンテンツと同じくらい速くなるようです。
野村: 検索エンジンとの連携は、サイトマップXMLで、教えてあげるのがトレンド上にあります。
永原: 最近は機能が多いため、使いやすくするためにダウングレードして欲しいという案件も多いです。
野村: ユーザは要らない機能のために重くなるのは勘弁してもらいたいと思っているようですね。
大塚: 今後CMSはIPhone等に対応はしていかないのですか?
永原: 対応していくことになります。学校でも、IPadは活躍できると思います。
先生方にはもっと、直感的な操作が必要になってくると思います。
大塚: 一番携帯に強いCMSはどんな物がありますか?
野村:インフォテリアさんのサービスが強かった気がします。
永原 私はOpenPNEとNetCommnsは携帯で使っています。
大塚 国産CMSは携帯電話対応をしているのが多いですね。
大塚: CMSの種類によって得意分野があるはずですよね。
大塚: あまりCMS別の得意分野などは公開されてない気がするのですが。(知ってる人は知っていると思いますが・・)
川井: CMS毎に出来る出来ないをまとめたサイト、CMS部会で検討中?だよね。
永原: はい。ユーザや開発ベンダーが自分達の要望に合うCMSにはどのようなも
のがあるか、わかるような資料を作りたいと思っています。
永原: ただし、まだできていないので、今後をご期待ください。(^^)
湯澤: CMSは僕から見ると、本屋さんの本棚のようで、全てに目を通す等できるわけもないし、する必要もないのだとおもう。そういう意味で、一つ一つのCMSより俯瞰図の様なものが手に入れば十分で、実際の案件に即して、それを手繰り、実際に検証すると言うことのなるのだと思う。顧客が見つかる前に、研究投資をするにはちょっと範囲が膨大だと思う。
福光:弊社ではconcrete5を使っているのですが、concrete5は有償の製品が無償になったと聞いています。
そのようにCMSはオープンソースという流れが強くなっていくのでしょうか?
また、メリットはなにがあるのでしょうか?
永原: OSS化するメリットとしては:有名になれる。たくさん使ってもらえて、品質が上がる。使い方をユーザに教えてもらえる。稼ぎ方をユーザに教えてもらえる。
永原: CMSはOSSの方向へ行くかと言われると汎用的なものはOSSに行くと思います。
藤田: サイトコアはドットネットで作られているのですよね。
PowerCMSはオープンソースCMSの結構な競合ですね。
http://alfasado.net/contents/power_cms/index_enterprise.html
あと海外ではかなりパワーを付けている.net CMS
sitecore http://www.sitecore.net/
などがありますね。
湯澤: これ位オープンソースの製品が出てしまうと、商用の製品の開発意欲はかなり削がれてしまっていると思う。個人的には、その意味ではオープンソースのCMSの方が圧倒的に強いと思われる。CMSは周辺ビジネスが沢山存在するので、オープンソースでもビジネスが可能なのもオープンソースCMSが盛んな理由にもなっていると思う
湯澤: システム開発で問題になるのは、プログラミングの反対側の業務にあるわけで、このあたりを考えると、どんなパートナーとアライアンスが出来ると、ビジネスが大きくなるかも考えてゆきたい。
大塚: ある意味LotusNotes/Dominoが普及した理由はプログラムを知らなくてもワークフローが開発できる事ですのでCMSがそれに変わると大企業にも認められそうですね
藤田: OSSはマーケティング関係の連携が弱いですよね。
湯澤: マーケッティングツールってどんなものですかね??
永原: SugarCRMとか?
藤田: Marketing活動を支援してくれるCMSはオープンソースにはないですね。
Acccessibility等、日本の自治体向けな要件にフィットしているのは商用なものが多いです。
オープンソースCMSでは 徳島県CMS Joruriや島根県CMSは当然そこに対応しています。
川井: JoruriはRuby on railsですね。
藤田: これらの自治体向けオープンソースCMSはRubyですね。
藤田: ECMのオープンソースはNuxeo, Alfresco, KnowledgeTree とかが有名ですね。
湯澤: 話は変わりますがCakephpは便利なフレームワークらしいですね
藤田: はい、cakeは日本でも流行ってます。 php & ruby on railsライクというところで人が増えているようです
CMS Matrix http://cmsmatrix.org/ wikimatrix http://www.wikimatrix.org/
福光: SugarCRMも最近そうですが、CMSも開発のフレームワークとして使うことが多くなっているんですね。
湯澤: CMS なら Webアプリケーション開発の基本部分はみんな使ってるでしょうからね。
藤田: オープンソースCMSのワークフローはなかなか厳しい。
OpenCMSはver6までワークフローがあったが、ver7でワークフロー機能を削除。ver8でJBPM実装予定。
福光: SugarCRMもワークフローはワークフローはProcessmakerとかとの連携を模索しています。
http://www.processmaker.com/
屋代:今回は話がいろいろなところに飛んでしまいましたが、CMS部会のビジネス方法や具体的案件の話など、充実した座談会となりました。
ビジネスアプリケーション部会としてもオープンソースである特性を活かした具体的な情報を共有し、普及に努めてまいりたいと思います!
本日は皆様ありがとうございました。
2010年5月25日
株式会社オープンソース・ワークショップ 永原 篤
株式会社ITC総合研究所 用松 節子
株式会社ITC総合研究所 谷 巌
株式会社ビイガコーポレーション 山崎 実
株式会社 マインド 屋代 和将
株式会社 マインド 谷相 貴美
株式会社ゼンク 増田 芳憲
メタデータ株式会社 野村 直之
オープンソース・ビジネス株式会社 福光 正樹
東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 川井 和正
湯澤 一比古
大塚 和彦
藤田 拓