前回、言及した、治工具開発にマーケティングや、プログラム・マネジメントの概念が導入されて来ている話ですが、この背景には「ソフトウェアの生産技術と研究開発の歴史と、その融合。」がある気がするので、日式的、ICT界隈史に合わせて以下、少々、書いてみましたので、ご検収下さい。
<1970以前>
「ハードウエア」と「ミドルウェアとUP」(おまけ)
※ UPは、某界隈におけるユーザ・プログラムの略称です。
※ 「ソフトはおまけ」伝説ですが、
・数年前に「ハードウェアはソフトウェアのおまけ」なんて記事も。
・某界隈では、昨今、製造業が連結から外されまくってたりしますね。
<1970年代>
- 基本ソフト、ミドルウェア開発の領域は、ICT系の研究開発
- UP開発プロジェクトへの技術支援の領域は、ICT系の生産技術
<1980年代>
なんかイベントが起きた。
- 基本ソフト、ミドルウェア界隈:
IBM産業スパイ事件の発生により、主体性が失われる。 - UP開発界隈:
日式的「IT土方」方式がグランド・デザインされる。
<1990年代>
上記のイベント後。
- 基本ソフト、ミドルウェア界隈:
・BTRONがスーパー301条の対象候補へ。
・更なるプレゼンス低下とオープン化が進む。 - UP開発界隈:
統合CASEツールとか、かなり迷走。
<2000年代>
オープン化が進み、垂直統合型事業は劣勢に。
- 基本ソフト、ミドルウェア界隈:
オープン系がデファクト・スタンダードに。 - UP開発界隈:
IDE - RADの登場により、統合CASEは衰退。
<2005前後>
オープン・アーキテクチャの隆盛により「担ぐ系」へシフト。
- 基本ソフト、ミドルウェア界隈:
担ぐ系にシフト、仮想化技術 → クラウドの登場。 - UP開発界隈:
ツール類の仲介業位しかやること無くね?状態に。
<2010前後>
さらなるOSSの隆盛(ビジネス上でもエコシステム形成が重要に)。
- 基本ソフト、ミドルウェア界隈:
従来型のハード・ソフトの切り離し → クラウド + OSSにシフト。 - UP開発界隈:
ツール類は、ほぼ、コモディティ&OSSになり仲介不要に。
※ 研開 / 生技、共に、コモディティ&OSSにスタックするダケの悲しい存在になる。...が、皆、それを自覚するのは、もう少し後になる。
<2015前後>
仮想化の次に、ソフトウエア・デファインド(Software-Defined)系が隆盛し、ミドルウェア界隈と、UP開発界隈の垣根が徐々に無くなってきた。
...と言う感じじゃないか?と思います。
私の入社当時は、上記の「2000年前後」辺りだった気がします。前述の「スタックするダケ」じゃない「Open棟梁」が開発されたのは、「2005年前後」~「2010年前後」の間位だった気がします。
振り返ってみると、IDEの隆盛後、ワリと早いタイミングで、Open棟梁を開発ができたな。なんて思ったりします。
ちなみに、Open棟梁の中で、
IDE+テンプレート+パッケージ方式の導入が完了したのは、2016年度末で(.NETのパッケージ・マネージャーであるNuGetは2010年に登場)、Linux対応は、2018年中頃だった(.NET Framework の Linux対応版である.NET Core 1.0は2016年に登場)ので、業界的に、新技術への追随する足が、昔と比べて速くなってきている気がします。
まぁ、上記の軌跡を見ても、日式の現状は已む無し(誰も責めることは出来ない)と言う気もするので、これから先は、良い日式的ICT界隈へ変貌を遂げる事が出来たらイイんじゃないでしょうか?なんて思います。